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朝起きられないのは「怠け」ではない? 起立性調節障害とは

「体がしんどい」「立ち眩みがする」「頭痛がする」といった症状で朝起きられない子どもや若い方は少なくありません。学校や家庭では「怠けている」「気持ちの問題」と誤解されたり、心の病気だと決めつけられてしまうことも少なくありませんが、これは自律神経の働きが乱れ、血圧や心拍数がうまく調節できなくなることで起こる、体の病気「起立性調節障害」である可能性があります。

見た目からは分かりにくく、周囲の理解を得づらいことが、この病気の大きな悩みの一つです。だからこそ、症状に気づいたときは自己判断で済ませず、医療機関を受診して正しく診断し、必要な治療につなげることが大切です。

診断に欠かせない「起立試験」「ヘッドアップティルト検査」

起立性調節障害の診断には、起立試験やヘッドアップティルト検査が欠かせません。仰向けに横になった安静時と、実際に起立した際の血圧・心拍数を測定し、自律神経の調節に異常がないかを確認する検査です。訴えのある症状だけでなく、客観的な数値をもとに診断できる点が重要です。

ただし、この検査で血圧や心拍数に明らかな異常が確認され、起立性調節障害と診断されるのはおよそ半数程度です。残りの半数では検査上目立った異常が見られず、睡眠障害や過敏性腸症候群、片頭痛、発達障害、あるいは人間関係や学業の悩み、ゲームやスマートフォンの使用過多といった、別の要因が症状の背景にあると分かることもあります。

とはいえ、検査で異常が見つからなかった方の多くにも、日頃の活動量・運動量の不足や、循環している血液量が少ないなど、起立性調節障害になりやすい傾向が併せて見られることが少なくありません。将来的な発症を防ぐという意味でも、生活習慣の見直しが勧められます。

起立性調節障害の3つのタイプ

起立性調節障害は、起立時の血圧・心拍数の変動の仕方によって、大きく3つのタイプに分けられます。

  • 体位性頻脈症候群:血圧はそれほど下がらないものの、心拍数が大きく上昇し、軽い動作でもしんどさを感じるタイプ。もっとも頻度が高いとされています。
  • 起立性低血圧:起立時に血圧が下がり、立ち眩みやめまいを起こすタイプ。
  • 血管迷走神経性失神:起立中に血圧・心拍数が急激に低下し、突然倒れてしまうことがあるタイプ。

体位性頻脈症候群で心拍数が上がる3つの理由

もっとも多く見られる体位性頻脈症候群では、なぜ心拍数が上がるのか、その背景には主に3つの要因があると考えられています。要因によって治療で重視するポイントが少し異なります。

  1. 下肢の血管の収縮が弱く、起立時に血液が腹部や下肢に偏ってしまい、上半身の血液が不足する分を補おうと、代償的に心拍数が上がるタイプ
  2. 全身の循環血液量そのものが少なく、上半身だけでなく全身的に血液が不足しているため、代償的に心拍数が上がるタイプ
  3. 交感神経の働きが過剰になり、ノルアドレナリンが必要以上に分泌されることで心拍数が高くなるタイプ

治療の基本は「水分・塩分・運動」

頻脈や立ち眩みなどの症状を改善するために、非薬物療法と薬物療法を組み合わせて治療を行います。

非薬物療法の中心となるのが、水分・塩分の摂取と運動療法です。循環している血液量を増やすことが、起立時の血流を保つうえで重要になるため、水分は体重40kg以上の方であれば1日2000ml以上、塩分は1日10〜12gを目安に摂取することが推奨されています。

運動療法としては、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの持久力トレーニングが適しています。継続的な運動によって循環血液量が増え、心臓の筋肉が発達し、下肢の筋肉内の毛細血管や、エネルギーを生み出すミトコンドリアが増えることで、起立時の循環調節がしやすくなっていきます。

中等症以上と判断された場合には、これらの生活指導に加えて薬物療法が併用されます。

「怠け」と決めつけず、まずは受診を

起立性調節障害は見た目からは分かりにくく、周囲の理解を得にくい病気です。しかし、朝起きられない、立ち眩みがする、頭痛が続くといった症状がある場合は、心の問題と決めつけず、まずは医療機関を受診することをお勧めします。検査で異常が見つかれば適切な治療を、異常が見つからなくても予備軍として、水分・塩分の摂取や運動習慣を見直すことが、症状の改善や将来的な予防につながります。

石橋内科(姫路)は、内科として起立性調節障害の診断・治療に対応するとともに、運動指導・リハビリテーションのご相談も承っております。姫路で病院・内科をお探しの方、姫路でリハビリに対応した病院をお探しの方は、お気軽に当院へご相談ください。