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痛風・高尿酸血症と食事の付き合い方

ある日突然、足の親指の付け根が激しく痛みだす——痛風は、そんな強烈な発作で知られる病気です。実は数千年も前から知られてきた歴史ある病気であり、現代では治療法も進歩しています。今回は、痛風・高尿酸血症のしくみと、無理なく続けられる食事の考え方について解説します。

「帝王病」とも呼ばれた、歴史ある病気

痛風は、突然おそう激しい関節の痛みで知られる病気です。その歴史は古く、ヒポクラテスの時代からすでに存在が知られており、アレキサンダー大王やレオナルド・ダ・ヴィンチも罹患していたとされています。動物性食品を多く摂れる上流階級に多くみられたことから、「帝王病」「ぜいたく病」とも呼ばれてきました。

日本でも、食生活の欧米化にともない痛風の患者数はこの30年で約5倍に増加しています。有病者の95%は男性で、発症のピークは40〜60歳代ですが、近年は30歳代の若年層にも増加傾向がみられます。

高尿酸血症とは

尿酸は、DNAやRNAなどの核酸、ATPなどの構成成分であるプリン体が、主に肝臓でキサンチン酸化酵素の働きを受けて代謝された最終産物で、腎臓から尿として排出されます。

高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が7mg/dL以上になった状態を指します。原因により、尿酸が作られすぎる「産生過剰型」、排出が少ない「排泄低下型」、その両方が関わる「混合型」に分けられます。日本人は排泄低下型が多いとされています。また、女性ホルモンのエストロゲンには尿酸の排出を促す働きがあるため、高尿酸血症は男性に多く、女性は閉経後に増加する傾向があります。

痛風発作が起こるしくみ

高尿酸血症の状態が続くと、関節の中に尿酸の結晶が析出し、これを白血球が異物として攻撃することで炎症物質(サイトカイン)が放出され、激しい関節炎、いわゆる痛風発作が起こります。典型的には足の親指の付け根に突然発症し、強い痛みをともないます。過度な運動やストレス、飲酒などが引き金になることが多いといわれています。

痛みは数日でおさまることが多いのですが、高尿酸血症をそのままにしていると、数か月から数年後に再発し、次第に発作の間隔が短く、痛みの持続期間も長くなり、やがて常に痛みを感じる状態に進んでしまうこともあります。

治療の基本

治療では、尿酸の合成を抑える薬、尿酸の排泄を促す薬、尿酸の再吸収を防ぐ薬などを、状態に応じて組み合わせて使用します。急な痛風発作の際には、非ステロイド性抗炎症薬などの痛み止めで炎症と痛みを抑えます。

食事療法のポイント

有効な薬物療法が増えたこともあり、以前のように厳格にプリン体を制限する必要は少なくなってきています。とはいえ、過剰な摂取は避けたいところです。プリン体のもとになる核酸は、細胞分裂の盛んな組織に多く含まれるため、白子やレバー類にとくに多く、エビ、イワシ、カツオなどの魚介類や肉類にも中程度含まれています。

尿酸の排出を助けるために、水分をしっかりとることも大切です。あわせて、次のようなアルカリ性食品を積極的に摂ることも勧められています。

  • 海藻類
  • きのこ類
  • 野菜類

アルコールとの付き合い方

アルコールにも注意が必要です。プリン体の含有量は、ビール350mLあたり12〜25mg、紹興酒180mLあたり21mg、日本酒180mLあたり2mg程度で、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は比較的少なめです。ただし、アルコールそのものの代謝の過程でもプリン体が作られるほか、エタノール代謝で生じる乳酸が尿酸の排出を妨げるため、ビール以外のお酒であっても飲みすぎには注意が必要です。

まとめ ― 無理のない範囲で、日々の食事を見直す

薬物療法が進歩したことで食事療法の重要性はやや下がったとはいえ、高尿酸血症や動脈硬化性疾患を防ぐための食生活は、そのまま健康的な食生活そのものでもあります。無理のない範囲で、日々の食事を見直してみてはいかがでしょうか。

健診で尿酸値の高さを指摘された方は、内科にご相談ください

痛風発作を一度経験した方はもちろん、健康診断で尿酸値の高さを指摘されただけの方も、放置すると発作を繰り返したり、腎臓や血管に負担がかかったりすることがあります。食事だけで下げきれない場合は、お薬による治療もあわせて検討できますので、一度内科にご相談ください。

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