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便に血が混じったら要注意!痔だけでなく大腸がんの可能性があるかも
先日来院された患者様のお話です。
「便に血が混じっていた。前から、時々あったんだけど、痔ですよね。」
その他にも
「用をたした後、トイレットペーパーに血が付いてた。」
「検診で便潜血が2回中、1回陽性だったけど、大丈夫ですよね。」
なんて方がたくさんいらっしゃいます。
それは、大腸がんかもしれません。
日本がんセンターがん情報サービスによると、2024年のがん罹患数の順位で、大腸がんは男性2位、女性2位ととても多いがんなんです。
また、がん死亡者数の順位を見ると、男性2位、女性はなんと1位が大腸がん。
このように、大腸がんはとっても多いがんなんです。
大腸がんは早期(限局)では、5年相対生存率が97.3%ととても高いことも知られていますが、なぜ、こんなに死亡者数が多いのでしょうか?
それは、大腸内視鏡検査を受ける人が少ないからなんです。
大腸がん検診マニュアル(2021年度改訂版)では、40歳以上は一年に一回便潜血検査(2日法)(便に血液が混じっていないかを2日分の便で調べる検査)が進められています。
精密検査は大腸内視鏡検査でおこないます。この場合、大腸がんは20人から25人に一人、大腸ポリープは3人に1人に見つかるとされています。
精密検査を受けずに、後で大腸がんが見つかった場合、受けた人に比べて大腸がん死亡の危険が4倍になることも知られています。
大腸内視鏡検査は、決してつらいものではありません。
ぜひ、便に血が混じったり、便潜血が陽性でしたら、大腸内視鏡検査をお受けください。
胃の調子が悪い?胸やけ、むかむか?おなかが痛い?それ、ピロリ菌かも?

なんとなく、胃の調子が悪い、むかむかするなどの症状がありませんか?
検診で「ピロリ菌が陽性」と知らせられたことはありませんか?
「胃カメラって、えづいて、しんどいと聞いているから怖いなぁ。」
おなかの調子をほっておくと、重大な病気を見逃すかも。。
特に重要なのは「胃がん」です。
「えっ、胃がんは、昔に比べて減ったって聞いたけど。。。」
確かに胃がんは、昔に比べてかなり減りました。
日本がんセンターがん情報サービスによると、2024年のがん罹患数の順位で、胃がんは男性4位、女性4位ととても多いがんなんです。
また、がん死亡者数の順位を見ると、男性3位、女性は5位が胃がん。
このように、近年、少なくなってきたとはいえ、胃がんはいまでも怖いがんなんです。
どうすれば、胃がんにならない? 胃の不調、もしかしたら”ピロリ菌”の仕業?
むかつき、胃の不快感などは、もしかしたらピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)に感染しているのかも?
ピロリ菌は、胃がんだけでなく、様々な病気に関係していることが知られています。
ピロリ菌って胃の中に住んでるの?
ピロリ菌は胃の中に住んでいます。ピロリ菌は、毒素で胃の壁を傷つけ、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍を引き起こします。それだけでなく、ピロリ菌に感染することで、胃がんになる確率が20倍以上も!
しかし、感染していても心配する必要はありません。ピロリ菌を除菌すれば、胃の病気になる確率は大きく下がります。
ピロリ菌はどこから感染するの?
ピロリ菌は食べ物や飲み物から、いわゆる経口感染するといわれています。高齢者では、上下水道が発達していない時代で、井戸水などから感染していた可能性があります。
大人になってピロリ菌に感染すると、急性胃腸炎になります。そして、数日でピロリ菌は排除され、慢性感染となることはありません。これは、大人の胃は強酸性で、ピロリ菌が生きのびることができないからです。
いつ、ピロリ菌に感染した?
ピロリ菌が生涯定着する(慢性感染)ためには、5歳までに感染することが必要と言われています。幼少期の胃は酸性が弱く、免疫機能も弱く、ピロリ菌が生きやすいから。
ピロリ菌に感染している大人から子どもへのキスや、食べ物の口移しはやめましょう!
どうやってピロリ菌を調べるの?
① 内視鏡検査:胃の内視鏡検査時に胃の組織をとって、ピロリ菌を検査。
② 抗体検査:血液や尿を採取して、ピロリ菌に対する抗体があるかを検査
③ 尿素呼気検査:検査用の薬を飲み、吐き出した息から感染しているか検査
④ 便中抗原検査:便を採取してピロリ菌の抗原があるか検査
簡単には、検診(自費)などのオプションで、血液中のピロリ菌の抗体をチェックすることができます。それ以外にも、上部消化管症状で気になる方は検査を自費で受けることができますので、ご相談ください。
健康保険を使ってできないの?
一般の病因で保険を使用する場合、ピロリ菌除菌の対象疾患(胃・十二指腸潰瘍など)であることを調べる必要があります。
そのためには、胃カメラ検査を受ける必要があります。対象の病気の場合、ピロリ菌の検査を保険で支払うことが可能です。
ピロリ菌の治療は?
ピロリ菌の除菌治療は、胃酸分泌を抑える薬と2種類の抗生物質を組み合わせて服用します。
1週間の服用で約80%の方が除菌に成功します。だめでも、抗生物質を変えて行う2次除菌で約95%の方が除菌に成功すると言われています。
【治療の流れ】
- ピロリ菌の検査で陽性と判定された場合、医師の指示に従って薬を服用します。
- 薬の服用から1か月以上の経過を目安に、尿素呼気試験などで除菌の判定を行います。
- 1次除菌で除菌に失敗した場合、抗生剤を変更して2次除菌を行います。
- 2次除菌でも除菌に失敗した場合、3次除菌などの方法がありますが保険診療の適応外となるため自費診療となります。
【副作用】
• 下痢、軟便、味覚異常、舌炎などの副作用が起こる場合がありますが、日常生活に差し支えない程度なら継続しましょう。
• 薬によるアレルギー反応が見られることがあります。
• 酷い下痢、発熱、下血を伴う下痢の場合も、すぐに中止し、医療機関を受診してください。
ピロリ菌の除菌治療は、ピロリ菌専門医の在籍するクリニックで行うことをお勧めします。
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