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サルコペニアとフレイル―筋力の衰えを防ぐ食事と、ご家族にできる支援―

「以前より歩くのが遅くなった」「瓶のふたが開けにくくなった」——こうした変化は、単なる「年のせい」ではなく、サルコペニアやフレイルという状態のサインかもしれません。今回は、この2つの言葉の意味と、予防のための食事、そしてご家族にできる支援について解説します。

サルコペニアとは

サルコペニアとは、筋肉量の減少および筋力の低下を特徴とする疾患で、2016年に国際疾病分類(ICD)にも登録されています。

加齢のみによって起こる「一次性サルコペニア」と、活動量の低下・病気・栄養不足などが原因で起こる「二次性サルコペニア」があります。二次性サルコペニアは若い世代でも起こりうるため、十分な栄養摂取と活動量の維持に加え、入院時にはできるだけ早くベッドから離れること(早期離床)やリハビリテーション、病気のコントロール、服用中の薬の見直しなどが重要になります。

フレイルとは

フレイルとは、加齢にともなうさまざまな心身の機能変化や、予備能力の低下によって、健康障害に対する脆弱性が高まった状態を指します。いわば、健康な状態と要介護状態の中間にあたる段階です。

フレイルの発症・進行に関わる要因は幅広く、高齢であること、女性であること、低学歴、孤独といった「社会的要因」、慢性疾患や肥満、多くの薬を服用している状態(ポリファーマシー)といった「臨床的特性」があげられます。また、運動不足やたんぱく質摂取量の低下、過度な飲酒といった「生活習慣」、体内の炎症や、カロテノイド・ビタミンB6・ビタミンD・ビタミンEといった微量栄養素の不足といった「生物学的要因」も関わっているとされています。

サルコペニア・フレイルを防ぐ食事のポイント

サルコペニアの予防には、体重1kgあたり1g以上のたんぱく質摂取が推奨されています。フレイルの予防についても同様で、良質なたんぱく質を毎食25〜30g摂取することが必要とされています。

また、酸化ストレスや体内の炎症は、筋肉のエネルギーを作る仕組み(ミトコンドリア機能)を低下させ、筋肉を維持する力を弱めることが分かってきました。そのため近年では、必要なエネルギーとたんぱく質を確保することに加え、抗炎症・抗酸化作用のある栄養素を十分に含む、質の高い食事の重要性が指摘されています。

具体的には、どんな食事が良いのか

バランスのとれた良い食事とは、高たんぱく質で、果物や野菜が豊富な食事です。

米、みそ汁、緑黄色野菜、漬物、魚介類、海藻、緑茶を多く取り入れ、肉類は控えめにする、いわゆる「日本食パターン」は、この条件によく当てはまります。こうした健康的な食事を守れている人ほど、要介護になるリスクが低く、サルコペニアやフレイルの方の死亡率も低いことが報告されています。

高齢のご家族を、どう支えるか

フレイルのサインの中でも、体重減少は比較的遅い段階で現れます。逆にいえば、体重減少が現れてしまうと、そこから状態を改善するのは簡単ではありません。

高齢者の体重減少の背景には、食欲不振や食事摂取量の減少があります。これは加齢によるさまざまな機能低下から起こりますが、身体機能が衰えることで買い物の頻度が減ったり、重い荷物を運びにくくなったりして、購入する食品が偏ってしまうことも一因です。経済的な事情や交通手段の制限も、食品の入手のしやすさに影響します。さらに、口や感覚、消化吸収機能の衰え、精神的なストレスも、食欲低下や偏った食事につながります。

こうした背景をふまえ、ご家族には次のような支援が助けになります。

  • 食材費を抑える工夫や、冷凍保存を活用した買い物頻度の見直し
  • 料理が苦手でも作れる、簡単な調理法の共有
  • かむ力が落ちていても栄養が偏らない、食品選びや調理の工夫
  • 少量しか食べられないときのための、栄養を効率よく補う工夫

これらを意識した支援によって、栄養不足やバランスの乱れを防いでいくことが大切です。

体重減少や食欲不振が気になるときは、内科にご相談ください

「最近、親の食が細くなった」「体重が落ちてきた」といった変化は、加齢だけでなく、背景に別の病気が隠れていることもあります。石橋内科・広畑センチュリー病院では、一般内科での体調確認に加え、管理栄養士による栄養相談も行っており、食事の工夫についてもご相談いただけます。

また、転倒による骨折や脳卒中などをきっかけに入院が必要になった場合には、広畑センチュリー病院の回復期リハビリテーション病棟で、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士など多職種のチームによる集中的なリハビリを受けながら、自宅での生活への復帰を目指すことができます。

医療法人社団 石橋内科

石橋内科:兵庫県姫路市広畑区東新町1丁目29/TEL 050-3613-2176

広畑センチュリー病院:兵庫県姫路市広畑区正門通4丁目2-1/TEL 050-3645-1580

公式サイト:https://www.1484naika-century.com/