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お酒に強さを決めるもの―体質を決める酵素と、遺伝子のはなし―

「お酒に強い・弱い」は、気合いや慣れの問題だと思っていませんか? 実はこの違い、生まれ持った遺伝子によってかなりの部分が決まっています。今回は、お酒の強さを決めるしくみと、体質によって注意したい健康リスクについて解説します。

顔が赤くなるのは「アセトアルデヒド」のせい

お酒を飲んだときに顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛が引き起こされたりする原因は、有害な物質「アセトアルデヒド」です。このアセトアルデヒドを、無害な酢酸へすみやかに分解できる人が、いわゆる「お酒に強い人」ということになります。

お酒の強さを決める酵素「ALDH2」

アセトアルデヒドの分解は、この反応を進める酵素「アルデヒド脱水素酵素(ALDH)」の働きによるものです。ALDHには2種類あり、血中のアセトアルデヒド濃度が高くなってから作用しはじめ、ゆっくりと分解する「ALDH1型」と、血中濃度が低い段階から作用する強力な酵素「ALDH2型」があります。お酒が強い人と弱い人の差は、この ALDH2型の酵素活性の強さによって生まれます。

遺伝子で決まる3つのタイプ

ALDH2型は、遺伝子の塩基配列の違いによって、活性の強いものと、活性をほとんど示さないものがあることが分かっています。これにより、お酒に強い「NN型」、ある程度は飲める「ND型」、ほとんど、あるいは全く飲めない「DD型」の3タイプに分けられます。

同じ量のお酒を飲んだ場合、血中アセトアルデヒド濃度は、ND型でNN型の人の4〜5倍、DD型ではNN型の人の20〜30倍にもなるといわれています。

人類はもともとNN型でしたが、数千年前に東アジアで突然変異が生じたとされています。そのため、ヨーロッパやアフリカの人々はほとんどがNN型である一方、中国、朝鮮半島、日本、東南アジアの地域ではND型・DD型の人がみられます。日本人では、NN型が5割、ND型が4割、DD型が1割程度といわれています。

「飲めば強くなる」って本当?

ND型の人は、本来お酒に弱い体質ですが、習慣的な飲酒によって酵素の働きが誘導され、アルコールの分解能力が高まることで、次第にある程度飲めるようになることがあります。

ただし、それでもNN型の人に比べると分解能力は低いままです。アセトアルデヒドの毒性にさらされる時間が長くなる分、体への負担や病気のリスクは高くなるといわれています。

知っておきたい病気のリスク

飲酒に関連する病気のリスクは、体質によって異なる形で現れます。ALDH2の働きが弱いヘテロ接合体(ND型)の方が習慣的に飲酒を続けると、食道がんのリスクが大きく高まることが、国内外の研究で示されています。目安として、週5日以上・1日あたり46g以上(日本酒なら約2合、ビールなら中瓶2本程度)の飲酒習慣がある場合、65歳までに一定割合の方が食道がんを発症すると予測する報告もあります。

一方、DD型の方は基本的にアセトアルデヒドをほとんど分解できないため、少量のアルコールでも急性アルコール中毒になることがあり、無理して飲むことは厳禁です。また、NN型の方は分解能力が高いために飲酒量が増えやすく、習慣的な大量飲酒によるアルコール依存症には注意が必要です。

なお、この体質に関わる遺伝子は、唾液や頬粘膜のスメアを用いた遺伝子検査サービスによって調べることも可能です。ご自身の体質を客観的に知りたい方は、そうしたサービスの活用も一案です。

顔が赤くなる方は、胃カメラでのチェックも検討を

「お酒を飲むと顔が赤くなる」という方は、ご自身がND型(ヘテロ欠損型)である可能性があります。習慣的な飲酒がある場合は、一度、食道・胃の内視鏡検査を受けておくと安心です。石橋内科・広畑センチュリー病院の消化器内科では、経鼻内視鏡を用いた胃カメラ検査を行っており、吐き気などの負担を抑えた検査が可能です。

医療法人社団 石橋内科

石橋内科:兵庫県姫路市広畑区東新町1丁目29/TEL 050-3613-2176

広畑センチュリー病院:兵庫県姫路市広畑区正門通4丁目2-1/TEL 050-3645-1580

消化器内科のご案内:https://www.1484naika-century.com/digestive-organ/